映画『ルックバック』実写版の凄さと「最強の鑑賞手順」(アニメ・原作・実写の辿り方/途中からネタバレあり)

映画「ルックバック」実写版 未分類

映画「ルックバック」(是枝裕和監督)を観てきました。 

映画概要(ネタバレなし)

原作は、藤本タツキ(代表作:『チェンソーマン』など)作で、ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』にて2021年7月に公開された143ページの長編読み切り漫画です。
2024年6月にアニメ版が公開されており、今回作は実写版となります。

アニメ版は、当初は全国100館規模の小規模公開からスタートしたものの、圧倒的な口コミの広がりで館数が拡大。結果、国内興行収入は20億円を突破(全世界では40億円超)、動員115万人以上を記録し、多くの映画賞も受賞した傑作です。

映画感想ほか(ネタバレなし)

いやあ、本当に素晴らしい映画でした。
私の主観的ランキングでは、現時点で今年の邦画ではベストの作品です。
今年前半に公開された三木孝浩監督(私の一押しの監督)の『君が最後に遺した歌』、『ほどなく、お別れです』も本当にいい映画なので是非観てほしいのですが、これらを上回りました。

ただ、私は先にアニメ版を観て、原作も読んでいるのですが、もしアニメ版も観ず原作も読まずに本作(実写版)を観たとしたら、
①ストーリーの後半部分がちゃんと理解できただろうか
②(原作が素晴らしいのでストーリー展開がとても良いのは別として、)是枝監督の映像化の素晴らしさにこれほど感動できただろうか
の2点を疑問に思いました。

答えは「2点ともおそらく否」です。

これは、私個人の意見ですが、実写版の素晴らしさを十分に味わうためには、事前にアニメ版を観て原作も読むことを強くお勧めします。

私が考える「これが最強の段取り」

そこで私がお勧めしたいのは、
  アニメ版→原作→実写版
という順番で観る(読む)ことです。

以下、具体的に紹介します。

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まず、アニメ版を観ましょう
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Amazon Prime Video 、Netflix 、U-NEXTなどで観ることができます。58分と短く、テンポもいいので、あっという間に観終わることと思います。
ちなみに、藤野の声優をあの河合優実さんが担当しています。

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(アニメ版を観終わった方へ)
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いかがだったでしょうか?
最後のところが、分かりにくかったのではないでしょうか?
それでも気にせず………..

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次に、原作を読みましょう
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コミックを買ってもいいし、Kindleなどの電子版でもいいでしょう。ただ、電子版の場合は、タブレットなど、なるべく大きな画面のもので読むことをお勧めします。

⚠️【注意】ここから先は物語の核心・ネタバレを含みます

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(原作を読み終わった方へ)
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いかがだったでしょうか?
最後のところがまだモヤモヤしているのではないでしょうか?
そこで次の解説記事を読んで下さい。(京アニの部分は読み飛ばして構いません。)
 ※ 解説記事はこちら
(なお、余計なところをクリックしないよう注意

これで完全に理解できたのではないでしょうか?

「出てこないで!!」という4コマ漫画の切れ端が、ドアの下をすり抜けて京本のところに届いたところで、京本が亡くならない時間軸に時間軸が上書きされたのではなく、
①京本が亡くなった元の時間軸と
②藤野が犯人に飛び蹴りをして、京本が亡くならなかった時間軸
の両方が存在している
ということなのです。

そして、ここが一番分かりにくいところだと思いますが、②の時間軸で藤野に助けられて亡くならなかった京本が描いた4コマ漫画(「背中を見て」)がドアの下をすり抜けて藤野のところに届いたところで、描かれる時間軸はまた①の時間軸(京本が亡くなった元の時間軸)に移り、以下はこの時間軸で話が進行していくということです。(従って、ラストのシーンは、①の時間軸(京本が亡くなっている時間軸)で漫画を描き続ける藤野の後ろ姿ということになります。)

以上で、話の展開は完全に理解できたと思いますので、

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いよいよ映画館で実写版を観ましょう
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(実写版を観終わった方へ)
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いかがだったでしょうか。
美しい映像化の素晴らしさに本当に感動されたのではないでしょうか。
映画レビューを読むと、実写版はアニメ版より劣るというようなコメントもちらほら見かけますが、私にはとても信じられません。

実写版と原作・アニメ版との違い

実写版と原作・アニメ版の違いについて細かく比べるつもりは全くありませんが、気になったところを2点だけ書かせていただきます。

1.原作・アニメ版では、京本が亡くなった後、京本の部屋の前に立つ藤野が「京本死んだの あれ? 私のせいじゃん・・・・」などと独白する場面があります。

うまく説明できないのですが、これらの独白には何となく違和感があったのですが、是枝監督も何か違うと思われたのか、実写版ではこれらの独白は削られていました。

2.原作・アニメ版では、この後京本の部屋に入った藤野が、自分の漫画や(原作では少し分かりにくいですが)読者アンケートのハガキなどを見つけ、京本が自分を応援し続けてくれていたことを知る場面があります。

 実写版では、この場面が違う内容に変えられていて、観終わったときは「原作の方がよかったのでは」と感じました。しかし、次の動画を見て、是枝監督が意図した意味が分かり、「なるほどそれなら確かにこっちの方がいいな」と思った次第です。(ただ、普通の映画ファンが1回観ただけでここまで理解するのは難しいとは思いますが・・・。)
※ 動画(YouTube)へのリンクはこちら

主役二人+子役二人

主役二人(出口夏希さん(藤野役)・蒔田彩珠さん(京本役))、子役二人の四人とも、原作のイメージとピッタリでとても良かったですね。よくこんなはまり役の俳優や子役を上手に見つけてくるものだと感心しますね。(特に蒔田さんは原作の京本の雰囲気に本当によく合っていると思いませんか。)

子役二人から出口・蒔田さんに入れ替わるところも本当に自然で、全く違和感は感じませんでした。

なお、以前書いたブログ(「映画「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」感想~「恩送り」の言葉と出口夏希の存在感は光っていた映画」)で、出口さんがヒロインの「余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。」は、この作品のためだけにNetflixに1ヶ月だけ加入しても損はないと断言できるほどお勧めできる傑作と書きましたが、
蒔田さんが(主演ではありませんが)出演している「朝が来る」(2020年)もとてもいい映画です。

本作を観てお二方の演技に感動された方は、これらの映画も是非ご覧になることをお勧めします。

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