【2026年7月23日追記】
本記事では、記事の「直系との『血の距離』を結び直してきた」という部分に引きずられて、江戸時代に世襲宮家が天皇の皇子を養子にして血縁関係を深めていたという話をしているのだろうと考えて議論を展開していましたが、改めて記事の該当部分を読み直してみると、少なくとも該当部分の前半では、宮家の人間が天皇の養子となるという話をしていると思われるので、その前提でAI(Gemini)と議論をやり直して再度読売新聞に意見を提出しており、それを改めての記事にしております。
本記事と改めての記事の両方をまだお読みでない方は、改めての記事からまずお読みください。
改めての記事はこちら
【以下、当初の記事となります】
先週の土曜日(18日)から、読売新聞では[検証 皇室典範改正]というテーマで、三回にわたり特集記事を掲載していました。今回の記事で取り上げるのは、その三回目で、今週月曜日(20日)に掲載された「[検証 皇室典範改正]<下>制度欠陥 皇室に苦しみ」という記事です。
※ ここに読売新聞の記事へのリンクを貼る予定でしたが、「読者会員限定」のため、会員以外は読むことができません。そこで、議論の対象とする記載の部分だけ、ここで紹介させていただきます。
【読売新聞記事(「[検証 皇室典範改正]<下>制度欠陥 皇室に苦しみ」)からの抜粋】
「お茶の水女子大客員研究員で前宮内庁書陵部編修課長の鹿内浩胤(しかないひろたね)氏によると、皇室の基本は直系主義で、かつての宮家が傍系でも皇位継承資格を保てたのは、一代ごとに天皇の養子の形をとり、直系との『血の距離』を結び直してきたからだ。「養子が禁じられた明治以降の宮家は、この厳格な手続きを経ていない。何世代も離れたその傍系を法律操作だけで皇族とする改正皇室典範は、皇室の伝統から外れ、象徴天皇制に対する国民の親しみや敬愛も失わせるものだ』」
この部分の記載につき、おかしいのではないかということでAI(Gemini)と議論した結果は、次の通りです。
直系との「血の距離」の結び直しなどについてのAI(Gemini)とのやり取りの全文はこちら
そこで、こうしたAI(Gemini)とのやり取りも踏まえて、次の通り意見書を作成し、読売新聞お客様センターに送付しました。
読売新聞社 編集局 御中
貴社の7月20日付の記事「[検証 皇室典範改正]<下>制度欠陥 皇室に苦しみ」における鹿内浩胤氏の談話部分について、歴史的事実に反する著しく不正確な記述があり、読者に重大な誤解を与える懸念があるため、事実の訂正または最低限の事実補足を求めたいと考え、AI(Gemini)と議論した結果も踏まえ、意見を提出させていただきます。
AI(Gemini)との議論の全文は、次のリンク先の通りです。
https://share.gemini.google/7qbtgkl9dxeO
※ 検索窓ではなく、ブラウザのアドレスバーに直接貼り付けてご参照ください。
意見の詳細については、ぜひAI(Gemini)との議論の全文(リンク先)をお読みいただきたいと思いますが、意見のポイント部分だけ記載すると次の通りとなります。
まず、意見を申し上げる該当の記述(鹿内氏の談話)は以下の通りです。
「皇室の基本は直系主義で、かつての宮家が傍系でも皇位継承資格を保てたのは、一代ごとに天皇の養子の形をとり、直系との『血の距離』を結び直してきたからだ。養子が禁じられた明治以降の宮家は、この厳格な手続きを経ていない。何世代も離れたその傍系を法律操作だけで皇族とする改正皇室典範は、皇室の伝統から外れ、象徴天皇制に対する国民の親しみや敬愛も失わせるものだ」この記事の記述には、次の通り、①伏見宮家とそれ以外の三親王家の継承の仕方の違いについての事実誤認(ないしは事実の無視)、及び、②幕末〜明治期の皇位継承の危機的状況の無視があり、それによるロジックの破綻が存在すると考えます。
① 伏見宮家とそれ以外の三親王家の継承の仕方の違いについての事実誤認(ないしは事実の無視)
江戸時代の「四親王家」のうち、桂宮・有栖川宮・閑院宮の3宮家は主に天皇の皇子を養子として迎える形で継承されましたが、「伏見宮家」のみは3宮家と異なり実子による「血縁の世襲」により継承されてきました。
1947年に皇籍を離脱した旧11宮家は、すべてこの「世襲(実子継承)」により継承されてきた伏見宮家の血統です。「かつての宮家は養子により直系との『血の距離』を結び直してきた」という(桂宮・有栖川宮・閑院宮の3宮家には当てはまっても、)伏見宮家には当てはまらない事実をもってして、今回の改正皇室典範は、「皇室の伝統から外れ、象徴天皇制に対する国民の親しみや敬愛も失わせるものだ」ということにつなげるのは、ロジックが破綻していると言わざるを得ません。②幕末〜明治期の皇位継承の危機的状況の無視
仁孝天皇から大正天皇に至るまで(18世紀後半(幕末)から20世紀初頭頃まで)の間は、成人した男子(皇子)は「次の天皇となられたお一人」のみという皇位継承の危機的状況が続きました。
つまり「養子が禁じられたから血を結び直せなくなった」以前に、制度の有無にかかわらず「宮家に養子として送り出す皇子自体がそもそも存在しなかった」のが歴史的事実です。専門知識を持つ鹿内氏の発言がこのような基本的誤認を含むとは考えにくく、鹿内氏から話を聞いた記者が、事実を誤認(又は無視)して、間違えたロジックで話をつなげてしまった結果である可能性が高いと拝察いたします。
しかし、どのような編集経緯であれ、皇室制度という極めて厳密さが求められる憲法論議・世論形成の場で、事実と異なる(あるいは例外を無視した)前提を提示し「だから伝統から外れる」との論評を展開することは、読者の適切な判断を妨げる報道の不備と言わなければなりません。
つきましては、メディアとしての報道倫理と正確性保持の観点から、以下のいずれかの対応を迅速にお取りいただきますよう強く要請いたします。
・ 該当箇所の記述に関する事実関係の訂正の掲載
・ 読者の誤解を解消するため、「伏見宮家の世襲的継承の事実」や「幕末〜明治期の皇子の生育状況」についての適切な追記・事実補足皇位継承のあり方などについて今後更に議論を深めていかなければならない重要な局面だからこそ、前提となる客観的事実の正確な報道を徹底していただくことを切願しております。
ご回答及びご対応のほど、よろしくお願い申し上げます。
なお、まさかそんなことはないとは思いますが、「一代ごとに天皇の養子の形をとり、直系との『血の距離』を結び直してきたからだ。」という記述が、伏見宮家の当主が親王宣下を受けていたことやその一部が天皇の(養子ではなく)猶子になっていたことをもし指しているとしたら、AIとのチャットの最後のところにあるように、全くの的外れとしか言いようがないと思いますということを付言させていただきます。
おって、皇位継承制度を含む皇室制度の見直しに関する貴紙の基本スタンスは概ね次の通りであると認識していますが、これらについては、私は基本的に全て賛成の立場である旨も併せて付言させていただきます。
・ 皇統の存続を最優先とし、将来的な女性・女系天皇の容認も排除すべきではない
・ いわゆる「女性宮家」を創設すべきであり、結婚した女性皇族の夫や子にも皇族の身分を付与すべきである
・ 戦後に皇籍を離れた旧宮家の男系男子を養子に迎える案については、極めて慎重であるべきである


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